「35億」ブルゾンちえみの現在|藤原しおりの歩みとWith Bの今
2017年元日の特番で突如として頭角を現し、背筋を伸ばした堂々たるポージングと「35億」の決め台詞で日本中を席巻したブルゾンちえみ。世界的アーティストであるオースティン・マホーンの楽曲『Dirty Work』をバックに、両脇に無口なイケメン二人組「With B」を従えて披露された「キャリアウーマン」ネタは、バラエティ番組の枠を飛び越え、同年の新語・流行語大賞トップテンに選出される社会現象となりました。
瞬く間にテレビ各局の看板番組や24時間テレビのチャリティーランナーへと駆け上がった彼女ですが、2020年3月末をもって所属事務所を退所し、芸人としての活動に終止符を打ちました。本名の「藤原しおり」へと名義を改め、芸能界の第一線から距離を置いた彼女は、今どのような日々を送り、何を表現しているのか。話題をさらったネタの誕生秘話からWith Bの解散と現在地、そして彼女が下した決断の深層に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ブルゾンちえみは2020年に芸人を引退し「藤原しおり」として文筆業やラジオパーソナリティ、環境・社会課題の発信など多彩な表現活動へシフト。
- 要点2:社会現象となった「35億(あと5000万人)」ネタは、失恋に悩む女性への肯定感と洋楽のリズムを融合させた緻密なセルフプロデュースの産物。
- 要点3:背後を固めたWith B(ブリリアン)は2020年に前向きに解散し、コージはアメフト界復帰から多方面へ、ダイキは俳優・舞台表現者として各自の道を確立。
【2026年最新】「35億」で一世を風靡したブルゾンちえみ・現在の活動実態
テレビのバラエティ番組で濃いメイクとタイトスカートに身を包んでいた姿から一変、現在の藤原しおりは、肩の力を抜いたナチュラルな佇まいで独自のキャリアを築いています。2020年3月にワタナベエンターテインメントを円満退所した直後は、長年の夢であったイタリア留学を計画していたものの、世界的なパンデミックの影響により渡航の延期を余儀なくされました。しかし、彼女はその逆境を内省と執筆の好機へと転換させました。
退所後の主な活動拠点となったのは、文筆業と音声メディア、そしてライフスタイルに根ざしたカルチャー発信です。J-WAVEでのラジオパーソナリティやWEBマガジンでのエッセイ連載、環境問題(SDGs)やヴィーガンカルチャー、アートに関する独自の視点は、流行を追うメディア消費とは対極にある「丁寧で持続可能な生き方」として同世代から厚い支持を集めています。
一時期は過熱するSNSの反響から距離を置くために投稿を整理・リセットする場面も見られましたが、メディア関係者の証言や本人の手記によれば、それは「大衆が求めるブルゾンちえみ像」の呪縛を解き、一人の表現者「藤原しおり」として健やかに呼吸するための意識的な選択でした。テレビタレントという枠組みを離れた今も、書籍の執筆や朗読劇、社会派プロジェクトへの参画を通じて、確固たるメッセージを届け続けています。

社会現象を巻き起こした「キャリアウーマン」ネタと35億の誕生秘話
彼女が一夜にしてスターダムにのし上がった原点は、2017年1月1日放送の『日本テレビ系 ぐるナイ!おもしろ荘』でした。当時まだ芸歴2年目だった彼女が放った「キャリアウーマン」のネタは、従来の女性芸人にありがちだった自虐ネタの構図を根底から覆すものでした。
「自分から探さない。待つの」「地球上に男は何人いると思っているの?……35億。あと5000万人」という圧倒的な上から目線のフレーズは、恋愛に傷つき自信を失った人々を力強く肯定するエンパワーメントの響きを帯びていました。この「35億」という数字は、当時の世界人口約73億人のうち、男性が約半分を占めるという統計データに基づいたものであり、計算の緻密さと語感のインパクトが見事に融合していました。
ネタの完成度を決定づけたのが、アメリカのポップスター、オースティン・マホーンの楽曲『Dirty Work』です。耳に残るファンキーなベースラインに合わせて腰を振り、書類をばら撒く演出は、洋楽のグルーヴとお笑いをハイレベルで融合させたものでした。オースティン・マホーン本人とも後に共演を果たし、楽曲は日本国内の配信チャートで異例のリバイバルヒットを記録。「35億」は2017年の『ユーキャン新語・流行語大賞』トップテンを受賞し、名実ともにその年の日本を象徴するフレーズとなりました。
【データで見る変遷】ブレイク期から現在までの活動実績と転換点
彼女の歩みを客観的な事実とデータで振り返ると、メディアの最前線で過熱した「消費されるアイコン」から「自己決定権を持つ表現者」への鮮やかなシフトが浮き彫りになります。
| フェーズ / 期間 | 主な名義・役割 | 象徴的な実績・活動数値 | メディア環境と本人のスタンス |
|---|---|---|---|
| 全盛期(2017〜2019年) | ブルゾンちえみ with B(お笑い芸人) | 流行語大賞トップテン / 24時間テレビ90kmマラソン完走 / CM起用社数上位 | マスカルチャーの中心として過密スケジュールをこなす一方、自己の表現欲求との乖離に直面。 |
| 転換期(2020〜2022年) | 藤原しおり(タレント・エッセイスト) | 大手事務所円満退所 / J-WAVEラジオレギュラー開始 / 自著エッセイ刊行 | 「芸人」の肩書きを手放し、本名で再出発。コロナ禍を経て内省的な執筆・音声発信へ移行。 |
| 成熟期(現在) | 藤原しおり(文筆家・表現者) | カルチャー連載 / ライフスタイル発信 / 舞台・アート企画への参画 | SNSの数字に依存せず、自身の美学と倫理観に合致するプロジェクトを厳選して活動。 |

With B(ブリリアン)の解散理由とそれぞれの現在地
ブルゾンちえみの両脇で上半身に文字を書き、絶妙なタイミングで決め顔を披露していた「With B」こと、お笑いコンビ「ブリリアン」。彼らの存在なくして「35億」の熱狂は完成しませんでした。しかし、ブルゾンちえみの事務所退所と同じ2020年3月、ブリリアンもまた解散を発表しました。
一部のネットメディアでは「不仲による空中分解」といった憶測も飛び交いましたが、公表された事実とメンバーの回顧録が示す解散理由は、もっと切実で前向きなものでした。後輩芸人として突如トップスターのバックダンサー役に抜擢された二人は、「With B」としての知名度が高まる一方で、自作のコントや漫才で結果を残せないという芸人としての深刻な実力不足とアイデンティティの葛藤に苛まれていました。互いの将来を真剣に話し合った結果、コンビ関係を清算し、それぞれが本来目指していた個人の夢に挑戦するという決断に至ったのです。
解散後の二人は、それぞれの強みを活かした独自のフィールドで活躍しています。
- コージ・トクダ(徳田浩至):法政大学アメリカンフットボール部の元主将という経歴を活かし、解散後に社会人Xリーグ「みらいふ福岡SUNS」で現役フットボール選手として電撃復帰。スポーツとタレント活動を両立させ、リーダーシップやフィットネスの分野で精力的に活動しています。
- 杉浦大毅(ダイキ):本名で本格的な俳優の道へ転身。舞台やドラマへの出演を重ねる傍ら、日本舞踊や殺陣といった伝統芸能の修練を積み、表現力豊かな役者として着実な評価を獲得しています。
トリオとして固定化されたイメージを捨て、3人がそれぞれの適性に合わせた道を選んだことは、結果として各人のキャリアを息の長いものにしました。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「一発屋の没落」という偏見の嘘
インターネット上の掲示板やSNSでは、テレビで見かけなくなったタレントに対して安易に「一発屋として消えた」「引退に追い込まれた」というレッテルが貼られがちです。しかし、ブルゾンちえみ(藤原しおり)のケースを詳細に取材・分析すると、そうした俗説がいかにピントのずれたものであるかが分かります。
彼女の芸能界引退は、仕事のオファーが途絶えた結果としての「戦力外通告」では決してありません。2019年時点でも複数のレギュラー番組を抱え、タレントとしての需要が極めて高い状態にありました。その絶頂期において、自らの意思で事務所に退所を申し入れ、莫大なメディア露出を手放したのです。
当時のインタビューで彼女は、「求められるブルゾンちえみ」を演じ続けることと、自分自身の精神的な健康や表現したいメッセージとの間に生じた違和感を率直に吐露しています。即席の笑いやワイドショーの消費サイクルに身を委ね続けるのではなく、自分の人生の主導権を取り戻すために下した選択でした。この決断は「没落」ではなく、過度な資本主義的エンタメ消費からの「自発的脱出」と捉えるのが正確です。
【プロの結論】急激なメディア消費社会で「自己の境界線」を守る生き方の教訓
現代のビジネスや個人のキャリア形成において、ブルゾンちえみのブレイクから転身に至る軌跡は極めて重要な心理学的・社会学的示唆を含んでいます。彼女が実践した生き方から導き出される教訓は、他者からの評価に依存せず、健全な「心理的バウンダリー(境界線)」を確立することの重要性です。
【この生き方・キャリア戦略が向いている人】
- 他人の期待よりも自己の内面的な納得感を最優先したい人:世間的な肩書きや年収の高さよりも、日々の暮らしの手触りやクリエイティビティに重きを置くタイプ。
- 急激な成功に伴う燃え尽き症候群を自覚し、ペースを落とす勇気を持てる人:走り続けることだけが正義ではないと理解し、自らブレーキを踏める自己客観化能力のある人。
【慎重な検討が必要な人】
- 大衆からの認知度やマスな影響力を自己存在の証明にしている人:スポットライトや数字の増減に精神的な安定を依存している場合、第一線からの離脱は強い喪失感を生むリスクがあります。
- 明確な独自のスキルや執筆・企画等の代替表現手段を持たない人:プラットフォームの後ろ盾を失った後、個人の名前で価値を提供できる基礎体力が整っていない段階での離脱は生活困窮を招く恐れがあります。

【35 億】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「35億」のネタで使われていた曲名と歌手は誰ですか?
A1:アメリカの歌手オースティン・マホーン(Austin Mahone)の楽曲『Dirty Work(ダーティ・ワーク)』です。2015年にリリースされた楽曲ですが、ブルゾンちえみのネタに使用されたことで2017年に日本国内で爆発的な大ヒットを記録しました。
Q2:ブルゾンちえみはなぜ芸人を引退したのですか?
A2:テレビ業界の過密なサイクルの中で「ブルゾンちえみ」というパブリックイメージと本来の自分(藤原史織)との乖離に悩み、語学留学や環境・社会問題の発信、文筆業など、より自分らしく持続可能な形で表現活動を行いたいという本人の強い意志によるものです。
Q3:With B(ブリリアン)の二人は現在仲が悪いのですか?
A3:不仲による解散ではありません。芸人としての将来や方向性に真剣に向き合った結果、互いの個性を最大限に活かす道として解散を選択しました。現在はコージ・トクダがアメフト復帰やスポーツ分野、杉浦大毅(ダイキ)が俳優業としてそれぞれの分野で順調に活動しています。
まとめ:消費されるアイコンから「自分自身を生きる表現者」への成熟
2017年に「35億」というワンフレーズで日本中を熱狂の渦に巻き込んだブルゾンちえみ。彼女が残したインパクトは、単なるお笑いネタの枠に留まらず、女性の自己肯定感の向上や洋楽カルチャーの再評価など、多方面にポジティブな影響を与えました。
そして現在、本名の「藤原しおり」として歩む彼女の姿は、急激なブームや他者からの期待に押し流されることなく、自分の心に正直にキャリアを再定義できる人間の強さを証明しています。背後を支えたWith Bの二人も含め、ブレイクの熱狂を通過儀礼として乗り越え、それぞれの本質的な持ち場へと着地した彼らの現在地は、変化の激しい時代を生きる私たちに自分らしい生き方のヒントを与えてくれます。 (出典: 35 億(Yahoo!ニュース))